2010年4月21日水曜日

シャトル

写真は、本文とは関係ありません。
宇宙飛行士の山崎直子さんが、日本時間の昨夜、無事に帰還した。全世界の視聴者が、この中継を見守り、シャトルの機体が着地したことに、胸を撫で下ろした。

山崎さんは、用意されたインタビューの機会に、日本語と英語で堂々とスピーチした。見ているこちらも、思わず笑顔になる。
彼女のご両親は、TVカメラに向かい「着地した瞬間、嬉しかった」、と言われた。親の気持ちがこもる、重い一言だ。

着地のシーンをリアルタイムに見た。食い入るように。
主翼のエッジが黒く変色しているのがわかる。摩耗しているのだろうか…
関係者には申し訳ないが、着地するまでの間、祈るような気持ちでいた。

不幸にして、シャトルの事故は何回か起こっている。

1995年、エンデバーの外部燃料タンクの発泡断熱材にキツツキが穴を開け、発射が遅れた。発泡断熱材は、もろく壊れやすい。発射時に振動ではがれ落ちる可能性がある。
2003年、コロンビア号帰還時の空中分解事故が起こった。この事故の原因も、外部燃料タンクの断熱材が原因とみられている。

どんなモノも壊れるし、寿命もある。そこを見越して先手を打つのが、現代のメンテナンスのあり方。

100%をターゲットにするのではなく、事故が起こりうると前提して対策を打つのだ。それを思うと、シャトルという“機械”は、ぎりぎりの設定条件で創られ、一旦離陸したら着地するまで、すべてがシナリオに乗っている。マージンなし。トラブルは即決。怪物だ。

私のパートナーの一人(アメリカ人)は、たまに「それって100%?」と聞いてくる。
絶対大丈夫?ということなのだが、絶対などありえん、とは言えず、「100%近く…」などと言ってお茶を濁す。

彼の立場は、現代のメンテナンスのあり方を伝える側なのだが…

Midori

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