2010年4月19日月曜日

現場取材雑記_3


出版社や報道機関を「プレス」と表現することも多いが、言うまでもなく印刷機が語源だ。版を紙に押し付けて転写するところから来ている。
「紙メディアの終焉元年 2010年(筆者命名)」になっても、この言い方はかわらない。
若い頃は、記者発表会に出かけ、「プレスの方はこちらへ…」などと言われるたびに、面映いような、誇らしいような気持ちになったものだ。

出版不況は深刻化し、
メディアを持たないマスコミ人が増えている。
一方、紙のメディアがないマスコミは、取材先に「自分たちが何者であるか」を説明するのに、ひと苦労している。
結局、ブログやインターネット経由の投稿記事をコピーし、自己紹介に添えて「紙で」見せたりする。
あるいは、人気ブロガーになると、ブログ記事をまとめた本(当然紙)が出版され、ベストセラーになったりする。
現実は、情報を提供する側(紙のメディアから締め出される側)と、受け取る側(やっぱり紙が好き側)との乖離があって、一足飛びには埋まらない。
同じ情報でも、紙の情報なら金を出すが、サイバー系の情報は、タダで当然…なのだし。

筆者の現在の専門は、工業分野である。製造に関わる人と設備がテーマだ。特に人は、携わる製品や担当する機械への愛情を、いつの間にか育んでいき、誇りを持っている。この誇りに触発されるために、現場にうかがうのだ、と思っている。
現場を記事で語るには、数ショットの強い写真と、現場担当者の誇りに満ちたコメントがあれば十分だ。

彼らの誇りが伝わるようなメディアのあり方を探求したいと思う。
絶対に、解があるはずだ。
Midori

1 件のコメント:

  1. 補足: 今日「情報ライブ ミヤネ屋」で関連の特集。雑誌廃刊相次ぐなか、iPad登場で電子出版新時代到来!、だそうだ。米国で大ヒットしているこのデバイスを真似て、競合が目白押しになるかも。さらに紙媒体は肩身が狭くなる。

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